『じっくり貯筋OB会体操教室』って!?

健康福祉課とケアステーションかんざきが提携して開催している「じっくり貯筋教室」では、身体機能が低下し日常生活に支障の出始めた方を対象に、毎週水曜日・半年間を1クールとして定期的な体力チェックや理学療法士による体操指導がおこなわれています。この教室を卒業された方が継続的に身体を動かし、仲間と交流出来る居場所の一つとして、2017年12月より『じっくりOB会』がスタートしました。

継続するための秘訣

体操を毎週継続させるために必要なことは何でしょう?歳をとるにつれ、動きにくくなる身体を少しでも良い状態にしたいというのは誰もが願うことですが、毎週ともなると実際に継続させるのは案外難しいものです。身体機能改善のために正しい知識を身につけ実践することも大事ですが、一番重要なのは「ここに来ると楽しい!」と思える場になっているか?なのではないでしょうか。

人とのコミュニケーションを軸にした体操

「会話がうまれる体操教室」をモットーに、じっくりOB会ではさまざまな取り組みをしています。例えば肩甲骨の位置を知るためのマッサージ。―自分のからだについて正しく知るために、実際に見て、触れて、ついでに背中のマッサージをすることによって「気持ちいい~」「誰もこんなことしてくれないから嬉しいねえ」と笑顔になるだけでなく、気持ちがほぐれて会話がうまれていきます。普段話せなかったりひとりで抱え込んでいる思いを何気ない瞬間に解放できるのも、この時間の醍醐味です。

高齢者=現在のわたしの延長線上に

私がこの教室に関わることになってから、初めは「高齢者向け」にどのように身体を動かせば良いのかをお伝えしようとしていましたが、徐々に「高齢者」と一括りに物事を考えるのはおかしなことだと気がつきました。なぜなら、彼らは確かに身体が若い時より動きにくくはなっていますが、現在の私の延長線上に居る大先輩に過ぎないと気づいたからです。人の感情や精神が、ある日突然、高齢者用に変化することなんてことは・・・ありませんよね。

自分で意識し、感じて気づくこと

「今、この動きをやってどう変化しましたか?」ー自分のからだを感じ、それを言葉にする事って、意外と難しいんです。でも言葉にすることによって初めて意識がうまれたり、ひととは同じではない、自分の身体の状態を把握することが出来るのです。一見難しいかな、と思うような説明でも、二人組になって相手に肩甲骨を触ってもらったり、骨格模型や図などで視覚的にイメージを持つと格段に動きが変わります。ただ言われたことをそのままこなすだけでは身体は変わりません。それは逆に言うと、講師側がただただ順番通りに指示をするだけでは何も変わらないということです。

相互の力で育ってゆく教室に

じっくりOB会では新たなことを試した時、どう変化したか、何を感じたのかをお互い聞き合う時間を設けています。それが私の学びとなり、別の場でも活かせるひとつの技術となるのです。また、手作りお菓子のお茶会や戦争時代のお話会(急に始まったりします)など、参加メンバーが主体となって場づくりをおこなうこともあります。人生の大先輩に囲まれながら画期的な実験をしている・・・といっても過言ではないくらいに、相互の力でうまれる様々なメソッドが、この先どのように活かされるか楽しみでなりません。